2018/03/19医療安全推進委員会活動

医療安全研修・交流会を開催しました

福岡県看護協会では、自施設での医療安全活動を推進するためのスキル向上を目的として、研修会・交流会を開催しています。

今回は、平成30年2月16日に、医療安全研修・交流会を開催しました。
午前中、リョウマホ法律事務所の岡田隆志弁護士を招き、法律家の立場からみたご講演をいただき、午後は自由に意見交換できるワールドカフェで看護記録について考えました。
どのグループも同じような悩みがあり、同じような対策が挙がっていました。時刻合わせ、医師とのコミュニケーション、急変時記録等・・みなさんが現場で苦労されている様子が伝わりました。エビデンスをもって、整合性のある内容、基準(評価スケール)、正確な専門用語を使用した事実に沿った診療録を充実させる事、診療録の改ざんと取られかねない事後記載に関して、記載した理由を明確にしておく事が大事であると学びました。私達医療従事者が記載されている内容に対し「そうじゃない、そういう意味でない」と口頭で説明(弁解)しても、記録に記載されている内容が事実であり、記録にないものは証拠にはならないという事をしっかりと再認識できました。

●嘔吐(少量、中等量、大量)私の思い浮かべる量と皆さんの思っている量は同じでしょうか???
●挿管チューブ7.5Fr 22cm固定?の記録はあり?なし?


チューブ類のサイズ表示は、Frは外径で、mmは内径
1Frは1/3mm(0.33mm) 7.5Frだと内径は2mm以下になってしまう
成人女性であれば通常挿管チューブの内径が7~8mm
内径2mm以下の挿管チューブ???

 

~講義~「医療訴訟と看護記録」プロローグ:医療訴訟の現状

 

1.医療訴訟、医事紛争と法的責任について知る
2.医事紛争を処理する側について知る
3.訴訟、紛争という観点から看護記録を見る
4.「証拠としての」看護記録に対する法律家の見方

 

 

~グループワーク~ 「訴訟に耐えうる看護記録」

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アンケート結果の報告

集合研修後のアンケート結果 回収数227名中 208名(回答率91.6%)n=208

実例と共に非常に理解しやすかった。対訴訟のための記録の面も重要と理解できた。
記録を確実に第三者に伝えられるように記載することの大切さを知った。
記録の大切さ、具体的なポイントその目的などが分かりやすく理解できた。いつも訴訟についてリスクをもっているのだと心にとめて日々の業務を行いたい。

 

現場ではなかなか意識していない医療訴訟の対策の必要性に気付く事ができた。
記録を振り返る機会となった。第三者がみてわかる記録を書いていきたいと思う。
事例がたくさん紹介されていて非常に分かりやすかった。それぞれ日常業務に役立つため、院内の研修で紹介していきたい。

 

集合研修後のアンケート結果 回収数80名中77名(回答率96.2%)n=77

 

自院の看護記録が医療安全の観点からは大きくかけ離れたものとなっていた。
インシデント発生時は看護記録を必ずみるが(医師記録)、時刻、表現事実が書かれていない場合が多く自分で何ができるか、未来がみえる研修だった。
自院の課題が明確になった

 

 

他の施設の活動を聞く事で、とても参考になった。
同じような問題点、課題を抱えながら取り組んでいる現状を共有でき、有意義な時間だった。
時間合せの工夫を自施設に確認したいと思った。
課題が共通していることは分かったが、解決策までは至らなかった。

アンケートでは“研修良かった、楽しかった”いう声が参加者から挙がり、今回の交流会の目的が果たせたのかなと思い、委員一同、後でホッとしました。

平成30年度 医療安全管理者養成は、6月から開催予定です!
詳しくは【研修情報】をご参照ください。


 
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