2022/09/26在宅支援

「第1回看護現場(主に在宅)における利用者等からの暴力・ハラスメント対策検討会」を開催いたしました!

令和4年8月23日、看護職員の離職防止や健康で安全な職場づくりを目指し、本会主催にて本県の主に在宅分野で働く看護職を取り巻く暴力・ハラスメントの実態を踏まえ、対策について検討会を開催しました。
検討会では、県内の医療、司法、介護保険施設、介護支援専門員、訪問看護ステーション、警察、行政、本会委員会の関連団体から15名の皆さんにご出席いただき、現場での対応の難しさや課題、必要な取組み等の意見交換が活発に行われました。
委員には、有識者の立場として、関西医科大学看護学部 三木明子教授にご出席いただき、全国の先進的な取組みと、既に情報発信されており、直ぐに対策に活用できる資料等の報告をいただきました。

 
  • 各委員がZOOMでご出席
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 ご出席いただきました委員の皆様、お忙しい中ありがとうございました。

【参考】三木委員の報告「在宅ケアを受ける患者・家族からの暴力・ハラスメント防止方策の構築」
 

 
 
≪本県の暴力・ハラスメントの実態≫
 〇 本会では、令和2年3月実態把握のため、県内の訪問看護事業所、介護保険施設で働く看護職を対象に調査を行いました。 
  • 調査のきっかけは、本会委員会での在宅分野で働く看護職は利用者からの暴力・ハラスメントが深刻であり、離職の要因の一つになっているのでは?の問題提起からでした。
  • 調査は、福岡県や福岡県医師会(福岡県訪問看護ステーション連絡協議会)の協力と、三木明子先生のアドバイスを得て行いました。
 〇 調査結果は、先行研究同様に暴力・ハラスメント経験者割合は高く、問題の大きさと対策の必要性を強く示唆するものでした。
 〇 本会が行いました「主に在宅分野の看護現場における利用者等からの暴力・ハラスメントに関する実態調査」結果は、調査を実施しました社会経済福祉委員会より令和4年12月10日に開催する福岡県看護学会・本会ホームページにて報告予定です。


≪検討会で委員から出された主な意見(一部紹介)≫
〇 現在の取組み(各団体での取組)
・啓発用にポスター・チラシを作成している
・警察との連携強化を図っている
・職員向けの対策研修会を開催している
・介護保険分野において国が作成したマニュアルを周知している など  

【参考】厚生労働省「介護現場におけるハラスメント対策の強化」

  令和3年度、全ての介護事業者にハラスメント対策として必要な措置を講ずることが義務付けられています。  
  詳しくは、厚生労働省WEBサイトをご参照ください。
参考】福岡県訪問看護ステーション連絡協議会「患者等からの暴力・暴言への対策啓発チラシ」

【参考】福岡県「介護現場におけるハラスメント対策」:ハラスメント撲滅チラシ


 
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〇 今後必要な取組み
・職員や管理者間の暴力・ハラスメントの認識の差があることへの対応
・事業所ごとの個々の対応だけではなく、所属する団体の組織での対応も必要
・どの団体にも所属しない小規模事業所にも情報が届き取組みが行えるような支援が必要
・対応の核となる施設管理者支援が必要
・職員のための研修の実施が必要
・事案発生時の相談窓口の明確化
・関係機関の連絡先が入ったフローチャートやマニュアルの必要性
・コンプライアンスの徹底   など 



≪今後について≫
 検討会の最後に副会長である福岡県医師会専務理事から、「現場の問題を解決していくためにも、この検討会で取り組んでいければと思う。この会を機に県行政が支援して対策の実施までかなえてほしい。」と出席委員に投げかけられました。
 会長からは、各団体で今回の協議内容を共有し、予算確保を含めた取組みの検討の必要性に触れ、第2回の検討会にての報告をお願いし、検討会を終えました。
 本会においても、委員会(看護師職能Ⅱ、在宅支援・訪問看護支援委員会)を中心に対策の検討や予算確保、実施に取組んでいく予定です。
 
 本会では、今後も検討会や取り組みについて本会のホームページにてお知らせしていきます。

  
 
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