2025/11/17保健師職能委員会通信「つぶやき宝箱」 NEW
私の保健師記録はこれで大丈夫? ― 法的観点から学ぶ保健師記録と情報管理 ―
令和7年9月13日(土)に、弁護士の川原秀範先生を講師にお招きして保健師等研修会を開催しました。
病歴等が記された記録は、要配慮個人情報として適切な管理が求められ、公的文書として個人情報開示請求にも対応することが求められています。
複雑化する事例も多く、「適切な記録ができているのか」「私の記録はこれで大丈夫なのか」と考えることもあるでしょう。
- 開示請求の場面を想定した具体的な学び
川原先生は、行政サービスに係る業務にも精通されており、私たちが直面するであろう開示請求がなされる場面などを想定しながら、「開示請求とは何か」「適切な記録とはどのようなものか」といった基本的なところから丁寧にご講話くださいました。
- アンケートから見えた高い満足度
事後アンケートでは、次のような声が寄せられました。
●法的な観点から保健師記録を学ぶ機会はほとんどなく、貴重な機会だった
●知らなかったことを知ることができた
●日頃から開示請求を意識し、“事実”と“評価”(人によって異なる)を分けて書く
●不確かな情報は記載しない
●ニュースソースを明確にする
●直ぐに業務に活かすことができる具体的な内容を学ぶことができた
●もっと聞きたかった
といった声が寄せられ、非常に満足度の高い研修会となりました。
- 記録の意義を再確認する機会に
最後に川原先生から、保健師の記録の目的は、
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保健活動を保健師・他職種と推進するための情報交換ツール
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保健活動の評価資料
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保健行政サービスの適正実施を証明するための公文書
そして、これらは保健師のスキルアップにもつながる大切なものであると強調されました。
今回の研修は、保健師記録の意義を再度考える貴重な機会となりました。
- 終わりに
開催当日は、筥崎宮の放生会と重なったにもかかわらず、皆様にご参加いただき、質問からも参加者の熱心さが伺えました。
川原先生におかれましては、ご多忙中にもかかわらず穏やかかつざっくばらんにお話しいただいて、お陰様で和やかな雰囲気で終えることができました。
心より感謝申し上げます。
講師
研修会の様子